名詞

 名詞とは、物事の名称を表す単語のことです。品詞の中で、唯一単独で主語になることができます活用がない自立語です。
 さらに名詞は、実質名詞代名詞形式名詞転成名詞に分類することができます。


【実質名詞】

 実質名詞とは、明確に何かを指し示す名詞です。
 実質名詞はさらに、普通名詞固有名詞数詞の3つに分類することができます。

 普通名詞:一般的な物事を表します。
 固有名詞:人物名や場所など、基本的には1つしかない特定の物事を表します。
 数詞:物の数や量、順序などを表します。

〈例文〉

 山田さんは、来月23日から1週間北海道に行く予定です。

〈解説〉

 [普通名詞] 来月
 [固有名詞] 山田さん・北海道
 [数詞] 23日・1週間


【代名詞】

 代名詞は、実質名詞に代わって物事を指し示す名詞です。
 代名詞は、さらに人称代名詞指示代名詞の2つに分類することができます。

 人称代名詞:人を指し示します。
 指示代名詞:物事や場所などを指し示します。

〈例文〉

 は、いつどこに行けばいいのでしょうか。

〈解説〉

 [人称代名詞] 私・彼
 [指示代名詞] いつ・どこ


【形式名詞】

 形式名詞とは、抽象的な意味を表す名詞です。
 常に修飾語をつけて使います。一般的に平仮名で書きます

〈例文〉

 そんなことで悩むは、 時間の無駄というものだ。

〈解説〉

 [形式名詞] こと・の・もの


【転成名詞】

 転成名詞とは、もともと動詞や形容詞など別の品詞だった単語が、名詞になったものです。

〈例文-1〉

 彼は、走るのが速いです。
 彼は、走りが速いです。

〈解説〉

 走る(動詞) → 走り(名詞)


〈例文-2〉

 彼女は世界一美しいです。
 彼女は世界一の美しさです。

〈解説〉

 美しい(形容詞) → 美しさ(名詞)


〈例文-3〉

 その場所は、静かです。
 その場所は、静けさがあります。

〈解説〉

 静か(形容動詞) → 静けさ(名詞)


さち先生の一言

 もともとの品詞(動詞・形容詞・形容動詞)か転成名詞か、見分けるのが難しいかもしれません。 そんな時は、単語のすぐ後ろに「は」や「が」をつけてみましょう。その単語が主語になれる場合、転成名詞です。


〈例文-1〉

 今から家に帰ります。

〈解説〉

 「帰り」のすぐ後ろに「が」をつけて「帰りが」としても、主語になることはできません。 そのため、これは転成名詞ではありません。


〈例文-2〉

 帰りが遅くなってしまった。

〈解説〉

 「帰り」が主語になっているので、これは転成名詞です。