文の成分

 文の成分には、主語述語修飾語接続語独立語の5つの種類があります。


【主語】

 主語とは、その文の主役になる言葉のことです。 「誰が」「何が」などを表します。

〈例文〉

 日本語は難しいです。
 動きが早いです。
 楽しさがあります。
 綺麗さが違います。
 深みがありません。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、主語です。


 主語は、名詞 + 助詞「は・が・も」などで成り立っていることが殆どです。

〈例文〉

 このコーヒーは、深みがありません。

〈解説〉

 この場合、「ありません」のは「何が」と考えるので、主語は「深みが」です。文の意味は「コーヒーはありません」ではないので、「コーヒーは」が主語だと間違わないように、注意してくださいね。


【述語】

 述語とは、主語の状態や性質、行動内容などを表す言葉です。 その文の主役が「何だ」「どんなだ」「どうする」「ある」「いる」「ない」という、 文の主旨を説明します。主語と述語はセットです。

〈例文〉

 それは、学校です
 私がそこに行きます
 そこにスーパーがあります
 景色が、とても美しいです
 教室は静かでした

〈解説〉

 例文の赤い部分は、述語です。


 述語は、文末にあることが殆どですが、例外もあります。

〈例文〉

 静かですね、この教室は。

〈解説〉

 元の文は、「この教室は、静かですね。」です。例文の場合、「この教室は」と「静かですね」が逆になっています。このような用法を倒置法といいます。


【修飾語】

 修飾語とは、他の言葉の「状態」や「状況」を詳しく説明する言葉です。主に5つの意味に分けることができます。


 1.  程度:「どのくらい」の程度を説明するときに使います。

〈例文〉

 すごく美味しかった。
 非常に難しいです。
 少々お待ちください。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、修飾語です。


 2.  場所:「どこから・どこに・どこへ」など場所を説明するときに使います。

〈例文〉

 家から来ました。
 教室に入ります。
 学校へ行きます。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、修飾語です。


 3.  評価:見た人の評価や感想などを説明するときに使います。

〈例文〉

 素晴らしいことだ。
 大変な仕事だね。
 優しい人が好きです。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、修飾語です。


 4.  対象:「何を・何が・何に」を説明するときに使います。一部は、目的語にもなります。

〈例文〉

 テレビを見ます。
 本が好きです。
 先生に言います。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、修飾語です。


 5.  時間:「いつ」を説明するときに使います。

〈例文〉

 明日の予定です。
 将来先生になりたいです。
 2023年になりました。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、修飾語です。


【接続語】

 接続語とは、前後の文や、文節をつなぐ言葉です。主に、9つの意味に分けることができます。


 1.  順接:順番どおりに物事を説明するときに使います。

〈例文〉

 雨が降っています。だから、傘を持っていきます。
 雨が降っているので、傘を持っていきます。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 2.  逆接:反対のことを説明するときに使います。

〈例文〉

 昨日は雨でした。ですが、今日は晴れました。
 昨日は雨でした、今日は晴れました。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 3.  累加:説明した物事に対して、追加で何かを説明するときに使います。

〈例文〉

 今日は先生に怒られました。さらに、お母さんにも怒られました。
 今日は先生に怒られて、そのうえ、お母さんにも怒られました。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 4.  並列:いくつかの物事を並べて説明するときに使います。

〈例文〉

 授業参観には、母および父が行きます。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。(「授業参観には、母と父が行きます」と同じ意味です。)


 5.  対比:物事を比較するときに使います。

〈例文〉

 母が賛成なのに対して、父は反対しています。
 母は賛成です。一方で、父は反対しています。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 6.  選択:物事を並べて選択するときに使います。

〈例文〉

 赤、あるいはピンクを使ってください。
 赤、もしくはピンクを使ってください。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 7.  補足:何かを説明したあと、追加で伝えたいことがあるときに使います。

〈例文〉

 その曲は素晴らしかったです。今でもなお、人気があります。
 そのホテルの食事は美味しい。さらに、安い。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 8.  要約:説明した物事について、まとめるときに使います。

〈例文〉

 音楽は、言葉が分からなくても伝わります。すなわち、国境は無い、ということです。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


 9.  転換:文の中で話題を変えたいときに使います。

〈例文〉

 今日も暑いですね。ところで、昨日の試合はどうでしたか。
 今日も暑いですね。そういえば、昨日の試合はどうでしたか。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、接続語です。


【独立語】

 独立語とは、他の文節とは直接関係がない言葉です。呼びかけや、感動などを表します。


 1.  感情表現:驚きや喜び、悲しみ、疑問などの感動を表すときに使います。

〈例文〉

 まぁ、なんて美味しそうなんでしょう!
 わぁ!すごいですね!
 えっ、そんなことがあったの?

〈解説〉

 例文の赤い部分は、独立語です。


 2.  呼びかけ:誰かに呼びかけるときに使います。

〈例文〉

 ねぇ、聞いてる?
 おーい、こっちだよ!
 もしもし、今、大丈夫ですか?

〈解説〉

 例文の赤い部分は、独立語です。


 3.  クッション言葉:話し始めるときに使います。使うことで、話す前に相手の注意を自分に向けることができます。

〈例文〉

 そういえば、最近、彼はどうしてるの?
 そうそう、この間、不思議なことがあったの。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、独立語です。


 4.  応答:問いかけや呼びかけに対して、返事を返すときに使います。

〈例文〉

 うん、分かった。
 はい、ちゃんと聞いています。

〈解説〉

 例文の赤い部分は、独立語です。


 5.  挨拶:挨拶も、独立語の一つです。

〈例文〉

 おはようございます
 さようなら
 おやすみなさい

〈解説〉

 例文の赤い部分は、独立語です。