副詞

 副詞とは、主に用言である単語を修飾するために用いられる単語のことです。 活用がない自立語です。品詞としては副詞といい、文法的には連用修飾語といいます。
 副詞は、その使い方によって、状態の副詞程度の副詞呼応の副詞の3つに分けられます。


【状態の副詞】

 状態の副詞とは、動作の状態を詳しく説明する副詞のことです。 擬声語擬音語擬態語も状態の副詞に入ります。主に動詞を修飾します。

〈例文〉

 [文-1] ゆっくり歩いてください。
 [文-2] しばらく会えませんね。
 [文-3] ちゃんと分かっていますか。
 [文-4] 朝から犬がわんわんと鳴いている。
 [文-5] 部屋がぐちゃぐちゃになった。

〈解説〉

 [文-1]の副詞「ゆっくり」は、動詞「歩く」を説明しています。
 [文-2]の副詞「しばらく」は、動詞「会う」を説明しています。
 [文-3]の副詞「ちゃんと」は、動詞「分かる」を説明しています。
 [文-4]の副詞「わんわんと」(擬声語)は、動詞「鳴く」を説明しています。
 [文-5]の副詞「ぐちゃぐちゃに」(擬態語)は、動詞「なる」を説明しています。


【程度の副詞】

 程度の副詞とは、状態・性質の程度を詳しく説明する副詞のことです。

〈例文〉

 [文-1] 私は、結構感動しました。
 [文-2] それは、たいへん嬉しいです。
 [文-3] ずいぶん長い間、会っていません。
 [文-4] その仕事は、とても面倒です。

〈解説〉

 [文-1]の副詞「結構」は、動詞「感動する」の程度を説明しています。
 [文-2]の副詞「たいへん」は、形容詞「嬉しい」の程度を説明しています。
 [文-3]の副詞「ずいぶん」は、形容詞「長い」の程度を説明しています。
 [文-4]の副詞「とても」は、形容動詞「面倒だ」の程度を説明しています。


さち先生の一言

 副詞は主に用言を修飾しますが、程度の副詞は、名詞・連体詞・他の副詞を修飾することがあります。

〈例文〉

 [文-1] 私は、結構後ろの方に座っていた。
 [文-2] ずいぶん大きな家ですね。
 [文-3] 部屋の中が、かなりぐちゃぐちゃに荒れている。

〈解説〉

 [文-1]の副詞「結構」は、名詞「後ろ」の程度を説明しています。
 [文-2]の副詞「ずいぶん」は、連体詞「大きな」の程度を説明しています。
 [文-3]の副詞「かなり」は、副詞「ぐちゃぐちゃに」の程度を説明しています。


【呼応の副詞】

 呼応の副詞とは、他の特定の単語とセットで使う副詞のことです。「陳述の副詞」や「叙述の副詞」ということもあります。
 呼応の副詞には、疑問(反語)推量仮定打ち消し打ち消し推量例え願望の7つの種類があります。


《疑問・反語》

 疑問の副詞「なぜ~」「どうして~」などの後ろには、「~の」「~か」のような疑問詞がきます。

〈例文〉

 [文-1] あなたは、なぜ遅刻したの。
 [文-2] どうして行かないのですか。
 [文-3] なぜ成功しないと言えるのか!


《推量》

 推量の副詞「たぶん~」「おそらく~」「きっと~」などの後ろには、「~だろう」のような語がきます。

〈例文〉

 [文-1] たぶん、明日は雨だろう。
 [文-2] おそらく、時間に間に合わないだろう。
 [文-3] きっと母は怒っているだろう。


《仮定》

 仮定の副詞「例え~」「もし~」などの後ろには、「~ても」のような語がきます。

〈例文〉

 [文-1] 例え、それが難しくても、私はやります。
 [文-2] もし、明日雨が降っても、行きます。


《打ち消し》

 打ち消しの副詞「決して~」「とうてい~」などの後ろには、「ない」のような語がきます。

〈例文〉

 [文-1] 彼は決して、そんなことを言う人ではない。
 [文-2] 私はとうてい彼にかなわないよ。


《打ち消し推量》

 打ち消し推量の副詞「まさか~」などの後ろには、「~ない」「~だろう」「~まい」のような語がきます。

〈例文〉

 [文-1] まさか、そんなことが起きるはずがない。
 [文-2] まさか、時間がない、なんて言わないだろう。
 [文-3] まさか、そんなはずがあるまい。


《例え》

 例えの副詞「まるで~」「ちょうど~」などの後ろには、「~ようだ」のような語がきます。

〈例文〉

 [文-1] 彼女はまるで猫のように寝ている。
 [文-2] それは、ちょうど先生が言っていたような話だ。


《願望》

 願望の副詞「どうか~」「ぜひ~」などの後ろには、「~ください」「~ほしい」のような語がきます。

〈例文〉

 [文-1] どうか、元気でいてください。
 [文-2] あなたには、ぜひ出席してほしいです。