助動詞とは、言葉の後ろにつけることで意味を付け加える単語のことです。
活用がある付属語です。単独で使うことはできません。
助動詞は、意味・活用・接続の3つの側面で分類することができます。
【意味による分類】
助動詞は、意味で分けると、使役・受け身・可能・自発・尊敬・打ち消し(否定)・推測・意志・希望・過去・完了・様態・伝聞・推定・例え・丁寧・断定などがあります。
《使役》
使役の助動詞は、「せる」・「させる」です。誰かに何かをさせることを表します。
〈例文〉
[文-1] 子どもを寝かせる。
[文-2] 子どもに勉強をさせる。
《受け身》
受け身の助動詞は、「れる」・「られる」です。誰かに何かをされることを表します。
〈例文〉
[文-1] 財布が盗まれると、大変だ。
[文-2] 父に褒められると、嬉しい。
《可能》
可能の助動詞は、「れる」・「られる」です。可能であることを表します。
〈例文〉
[文-1] もうすぐ朝ご飯がたべられるよ。
[文-2] その話は信じられる。
《自発》
自発の助動詞は、「れる」・「られる」です。自然とその行為が行われることを表します。
〈例文〉
[文-1] 自然と思い出される。
[文-2] 明日の天気が案じられる。
《尊敬》
尊敬の助動詞は、「れる」・「られる」です。尊敬語として使います。
〈例文〉
[文-1] 社長が話される。
[文-2] 先生が来られる。
《打ち消し(否定)》
打ち消し(否定)の助動詞は、「ない」・「ぬ(ん)」です。打ち消しや否定の気持ちを表します。古典的な表現でも使います。
〈例文〉
[文-1] 私は絶対に行かない。
[文-2] そんなもの、絶対に食べぬ。(古典的な表現)
《推測》
推測の助動詞は、「う」・「よう」・「まい」です。何かを予想することを表します。古典的な表現でも使います。
〈例文〉
[文-1] 彼はおそらく来るだろう。
[文-2] それはきっと悲しかろう。(古典的な表現)
《意志》
意志の助動詞は、「う」・「よう」・「まい」です。何かをするつもりであることを表します。
〈例文〉
[文-1] 明日スーパーに行こう。
[文-2] 今から勉強しよう。
《希望》
希望の助動詞は、「たい」・「たがる」です。何かをしたいと思っている気持ちを表します。
〈例文〉
[文-1] 私はどうしても漫画が読みたい。
[文-2] 子どもがお菓子を食べたがる。
《過去・完了》
過去の助動詞は、「た(だ)」です。過去に起こったことや、過去に起こって現在も存続していることを表します。
〈例文〉
[文-1] 私は怒った。
[文-2] 本を読んだ。
《様態》
様態の助動詞は、「そうだ」です。様子を表します。
〈例文〉
[文-1] 今日は元気そうだね。
[文-2] このケーキは美味しそうだ。
《伝聞》
伝聞の助動詞は、「そうだ」です。誰かから聞いたことを表します。
〈例文〉
[文-1] 彼女は今、仕事を探しているそうだ。
[文-2] 来週新しい先生が来るそうだ。
《推定》
推定の助動詞は、「ようだ」・「らしい」です。予想した結果を表します。
〈例文〉
[文-1] 彼女は、元気になったようだ。
[文-2] どうやら今から出かけるらしい。
《例え》
例えの助動詞は、「ようだ」です。何かに例えた様子を表します。
〈例文〉
[文-1] 彼女の歌はまるでプロのようだ。
[文-2] 彼女はまるで天使のようだ。
《丁寧》
丁寧の助動詞は、「ます」です。丁寧なニュアンスを表します。
〈例文〉
[文-1] 私はこの教科書を使っています。
[文-2] 頑張ります。
《断定》
断定の助動詞は、「だ」・「です」です。「です」は丁寧な断定を表します。
〈例文〉
[文-1] 私はこれが一番好きだ。
[文-2] 夏は暑いです。
【活用による分類】
助動詞は、その活用の仕方によって分類することができます。
《動詞型》
せる・させる・れる・られる・たがる
《形容詞型》
ない・たい・らしい
《形容動詞型》
そうだ・ようだ・だ
《特殊型》
ます・です・た(だ)・ぬ(ん)
《無変化型》
う・よう・まい
【接続による分類】
助動詞は、その接続の仕方(どんな言葉や活用形の後に続くか)によって分類することができます。
《未然形接続》
せる・させる・れる・られる・ない・ぬ(ん)・う・よう・まい
《連用形接続》
たい・たがる・ます・た(だ)・そうだ(様態)
《終止形接続》
まい・そうだ(伝聞)・らしい
《連体形接続》
ようだ
《その他の接続》
そうだ(様態)・ようだ・らしい・だ・です