尊敬語

 尊敬語は、目上の方などに対して、敬う気持ちを表す言葉です。動作の主体は、相手もしくは第三者で、自分のことでは使いません
 丁寧語よりも尊敬の程度が高く、上司やお客さん、先生などに対して使うことが多い言葉です。


【れる・られる】

 尊敬語の「れるられる」は、動作を表す言葉の後ろにつけて、尊敬の気持ちを表します。動詞の後ろに接続して使います。

〈例〉

 どこへ行くの。 → どちらへ行かれますか。
 部長が会社を辞めるらしい。 → 部長が会社を辞められるらしい。


【お(ご)~になる】

 「お(ご)」と「になる」の間に動詞ます形を挟むことで、尊敬語にすることができます。但し、「見る」や「来る」など、動詞のます形が1文字になる場合はできません
 「お(ご)~になる」を「お(ご)~なさる」に切り替えることもできます。「お(ご)~なさる」の方が古風な言い方なので、日常生活では「お(ご)~になる」の方がよく使われます。

〈例〉

 帰る → 帰りになる
 食べる → 食べになる
 利用する → 利用になる
 利用する → 利用なさる


【お(ご)~です】

 「お(ご)」と「です」の間に動詞ます形を挟むことで、尊敬語にすることができます。但し、「見る」や「来る」など、動詞のます形が1文字になる場合はできません
 意味は、現在進行形の「~ている」が一般的ですが、全てが「~ている」という意味ではなく、未来形や過去形の場合もあるので、注意です。

〈例〉

 社長が呼んでいる → 社長がお呼びです
 カードを持っていますか。 → カードをお持ちですか。
 今帰りますか。 → お帰りですか。
 スマホはありますか。 → スマホはお持ちですか。


【お(ご)~ください】

 「お(ご)~ください」は「お(ご)~になってください」の略語です。
 本来は、上司や目上の方に対しては、省略せずに敬語を使うのがより適切ですが、「お(ご)~になってください」だと長くて言いづらいので、日常では「お(ご)~ください」の方がよく使われます。

〈例〉

 座ってください → 座りになってください
 座ってください → 座りください


【言い換え】

 動詞が特別な形に変化することによって、尊敬の意味を表します。


《一覧》

 する → なさるされる
 行く・来る・いる → いらっしゃる
 言う → おっしゃる
 食べる・飲む → 召し上がる
 着る → お召しになる
 見る → ご覧になる
 知っている → ご存じ
 くれる・与える → くださる
 買う → お求めになる
 寝る → お休みになる
 死ぬ → お亡くなりになる